学術活動
クエン酸第二鉄少量継続投与における78週間の貧血鉄代謝
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日付2018/06/29
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学会・研究会第63回 日本透析医学会学術集会(6/29)
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発表者神田文義
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所属新横浜
【目的】クエン酸第二鉄水和物(FCH)は鉄剤の側面を持ち、通常量投与時の過度なHb増加報告も多い。少量継続投与で、鉄の経口維持投与が可能か、貧血鉄代謝を検討した。【方法】22名の安定ダルべポエチン(DA)週20μg以上使用中維持透析患者に、FCH夕食直後1錠開始し、同週からDA30%減量を同時施行した。以後の貧血、鉄代謝マーカーを78週間観察した。【結果】16名で26週間以上観察可能であった。平均値は開始前/78週後で、Hb10.6/11.3、RBC378/364、MCH28.1/31.1、Fe49.1/63.3、TSAT17.2/26.2、フェリチン26.9/61.6、DA週29.1/10.9 であった。【考察】我々の観察研究で得られた10年予後最良の鉄状態TSAT20%以上、フェリチン30-80の範囲を4週目以降から維持した。13週目で50%の症例でHb12を超えたことから、維持投与量は1日1錠以下、最適なDA減量は30%以上が示唆された。【まとめ】少量FCHとDA同時減量で、鉄の経口維持投与が可能と考えられた。